救護施設で働く人

生活保護では、居宅保護を原則としていますが、救護施設(保護施設)という施設が設けられています。 なぜならば、住まいや生活に課題を抱えている方の中にはアパートなど住む場所があっても、それだけでは社会生活を送るのが困難があり、 施設入所による支援が必要な場合があるからです。救護施設では様ざまな人が働き、事業を展開し入所者の生活を支えています。 このコーナーではその支援の仕組みをそこで働く人を通じてご紹介していきます。

地域に出よう!
~ソーシャルワーカーのしごと~
みつぎ清風園

八津川 史帆さん

広島県 みつぎ清風園 6年目
職種:精神保健福祉士

1日のスケジュール
8:30出勤・職員朝礼
8:45利用者朝礼・体操・検温
9:00精神科受診の支援、利用者相談面
精神科病院、福祉事務所等との連絡調整
12:00昼食・休憩
13:00精神科病院、福祉事務所等との連絡調整
精神科嘱託医の利用者面接支援、
地域移行者のフォローアップ等
15:30ケアカンファレンス
17:00職員夕礼
17:30退勤

受容と傾聴 ~安心できる雰囲気づくりを!~

私の主な業務は、利用者の方への相談支援や精神科病院との連携、入退所調整、意見箱へ寄せられた相談苦情の受付と対応調整です。利用者の方は、病気のこと、将来の生活不安、施設への要望、そして恋愛相談まで、様々な悩みや希望を話してくださいます。その内容に合わせて、職員間や関係機関と情報共有し必要な支援に繋げています。
また、利用者の年齢は20代から70代と幅広く、様々な障がいのある方が入所されているので、あらゆる分野の介護・福祉制度やサービスと関わることが多く、勉強の毎日です。
いつも心掛けていることは、『どんな相談内容でも、まずは相手の気持ちを受け止め理解すること』です。利用者の方にとって、自らの話に耳を傾け、真摯に向き合ってもらえるという環境は、安心感とやる気にも繋がると思います。
あれはできない、これもできないではなく、どうやったらできるのかを一緒に考えていくことで、利用者の方も私たちも前向きになれる気がしています。

ネットワークづくり 
~地域移行者とピアサポーターとの連携~

当施設では、独自事業として地域移行者のフォローアップを始めました。地域移行が決まっても不安がある方や、地域移行後に困った時の相談先が欲しい方に、訪問や電話相談などを行っています。お聞きした悩みなどを、新たに関わる地域の支援者と共有し、日常の支援に反映してもらうなど、地域生活に慣れるまでの繋ぎ役をしています。
訪問するたびに、「再び地域で生活をすることができて嬉しい。」と明るい笑顔が見られて私自身も嬉しくなります。
今後も施設内に留まらず、地域における生活困窮の方を支えていけるよう取り組んでいきたいと思います。
また、当法人では県の委託事業である「ピアサポーター派遣事業」を実施しています。この事業に登録されているピアサポーターさんと連携し、施設利用者とのオンライン茶話会を計画しているところです。
コロナ禍により、外部との関わりが激減している状況ですが、新たな取り組みを模索しながら、地域におけるネットワークづくりに尽力していきたいと思っています。

食堂ホールの様子
職場の仲間たち 敬老会の寸劇後