救護施設で働く人

生活保護では、居宅保護を原則としていますが、救護施設(保護施設)という施設が設けられています。 なぜならば、住まいや生活に課題を抱えている方の中にはアパートなど住む場所があっても、それだけでは社会生活を送るのが困難があり、 施設入所による支援が必要な場合があるからです。救護施設では様ざまな人が働き、事業を展開し入所者の生活を支えています。 このコーナーではその支援の仕組みをそこで働く人を通じてご紹介していきます。

ひとりひとりの自立をめざして
丸山荘

みっちゃんさん

愛媛県 丸山荘 7年
所属:総務課
職種:栄養士

1日のスケジュール
6:45(早出の場合)出勤
7:00朝食配膳準備/食事見守り/下膳/残食チェック
8:30朝会/記録チェック/給食管理に必要な作業
11:00昼食配膳準備/食事見守り/下膳/残食チェック
12:15昼休憩
13:15委託業者との連絡/入力・事務作業等
15:45退勤

心と身体づくりの原点は食

『今日のご飯は何?』『揚げ物の臭いがするけど今日は何?』施設内を歩いていると利用者さんからの一言目に出る言葉です。そんな言葉を毎日聞くと、食事を楽しみに待っていただいているのだと嬉しくなります。
毎日の生活で必要不可欠な食事。利用者さんが美味しく、楽しく、残食なく食べられるように考え、アシストするのが私の仕事です。しかし、残食を減らすのは難しく…なぜなら入居者145名も居れば年齢層は幅広く、食の好みも十人十色。ですが、これからは喫食アンケート等を参考に試行錯誤してみようと思います。
そんな私は4月から栄養士として就任しました。利用者さんの性格や病気も把握できていない分、各部署の職員さんと伝達・確認しあい、また利用者さんとコミュニケーションをとって少しでも食事の満足度をUPさせ、残食を減らせるよう頑張っていこうと思います。一人でも多くの人に『美味しかった。』と言っていただけるように…。

一時入所による生活改善

Aさんは下唇に3ヶ所の深い口唇裂が生じる程虐待を受けており、緊急避難として当施設へ一時入所されました。
日常生活ではほぼ支障はありませんでしたが、食事を摂取される事が困難で…特に汁物を飲まれると凹の部分からこぼれ出てしまい、支援員と相談しながら食事形態を考えてみました。まずはストローで飲んでみましたがこぼれ落ち…トロミを付けてストローで飲んでみましたがたれ落ち…と『飲む』という形態は難しいと判断しゼリー状にして食べていただくこととなりました。ある日、煮物で高野豆腐が出た事があり、煮汁にトロミを付け食事提供。しかし、高野豆腐に浸み込んでいた煮汁はそのままの状態…結果食べられた時に口から煮汁がこぼれ落ちるということがあり、状況把握の難しさがよく分かりました。その後口唇裂の手術を受けたAさん、汁物を飲む事ができるようになり日常生活の支障は無くなりました。
これからも一時入所される方の生活環境を整えることができるよう本人に寄り添う支援を目指して頑張ります。

丸山荘
みんなの食堂