救護施設で働く人
生活保護では、居宅保護を原則としていますが、救護施設(保護施設)という施設が設けられています。 なぜならば、住まいや生活に課題を抱えている方の中にはアパートなど住む場所があっても、それだけでは社会生活を送るのが困難があり、 施設入所による支援が必要な場合があるからです。救護施設では様ざまな人が働き、事業を展開し入所者の生活を支えています。 このコーナーではその支援の仕組みをそこで働く人を通じてご紹介していきます。
増子 正篤さん
福島県 郡山せいわ園 12年目
所属:チャレンジ班・保護施設通所事業専任職員
職種:副主任相談員
1日のスケジュール
8:30出勤・ミーティング
9:00通所訓練
(作業訓練支援、学習支援、体力トレーニングなど)
12:00休憩
12:50昼の申し送り
13:00通所訓練
(作業訓練支援、学習支援、体力トレーニングなど)
16:00活動場所の清掃・片付け
16:30活動の記録
17:15退勤
※その他、週2回訪問支援、月1回の外出支援、月2回の調理支援を実施
利用者の方が地域で継続して自立生活が送れるように、保護施設に通所して頂き、ボールペンの組み立てやドライフラワーの袋詰め等の作業訓練をしています。
また、健康的な生活を維持していけるように、個人に合わせた体力トレーニング等の健康に関する支援をしています。さらに、買い物や外出する際の公共交通機関の利用や日用品等の購入を通じて、社会的なマナーや金銭の精算等、地域で生活する上での必要な能力の向上が図れるように支援しています。同時に、管理栄養士と連携して調理支援を行い、調理技術の向上を図るとともに、栄養バランスの援助や食材の購入・献立に対する助言をおこなう食事サービスの支援をしています。
一方では、地域との交流活動を充実させるために、ご慰問や各種交流会等へ参加するなどの通所支援をおこなっています。そして、職員が居宅へ訪問して、居宅の衛生・環境の整備、身だしなみや体調の確認等をするなどして、生活面全般についての助言・援助の生活支援をおこない、利用者の方の生活面での不安や困り事等を少しでも軽減できるように親身になって相談にのっています。
Aさんは生活面で苦手な事が多く、以前は自宅での掃除や食事の当番などを、他人任せになってしまうことが多く見られました。
しかし、この保護施設通所事業での支援を通して、今まで苦手としていた事にも、職員と一緒に取り組み、本人の成長が見られる様になってきました。
自宅への訪問支援では、掃除の方法を理解していただくことで、衛生面に対して意識の向上が見られ、自室などの整理整頓が上手にできるようになりました。
また、調理支援では、調理の練習をしていただき、苦手だった包丁の使い方にも慣れてこられて、食材等のカットが楽しくなったとのお話が聞かれるようになりました。支援を続けていく中で、Aさんが、出来ることが増えてきて喜びを感じて頂き、通所事業に対して、より一層意欲的に取り組む様子が見られるようになりました。
その結果、以前行えなかった日課の当番なども他者と協力して取り組むことができるようになりました。
今後も地域で継続して自立生活が送れるように、自分で出来る喜びを感じて、より積極的に活動に取り組んで頂けるように、一生懸命支援に努めて行きたいと思っています。